僕は小学生のころからDTMに手を染めてしまったオタクでした


どこで道を踏み外したか、僕は小学生のころからDTMに手を染めてしまったオタクでした。

巡りめぐって、それが自分にとっての正規ルートだったのかもしれません。
あの頃のおかげで今があるから、あれは黒歴史ではないはず。笑


実は12〜3歳の頃からDTMerだった

僕がDTMを始めるきっかけになったのは音楽ツクールかなでーるというゲームでした。

プレステのコントローラーで譜面にひとつずつ音符を打ち込んでいくという今思えば死ぬほど効率の悪い作曲ソフトだったのですが、当時はなんだかそれが楽しくてデタラメに音を打ち込んで、いろんな楽器の音を鳴らして遊んでいました。


それから少しして、親父が突然パソコンを買ってきました。
「これからの時代、パソコンは一家に一台だろ!」的なカンジで。
 (当時1998年くらいで、まだパソコン持ってる家は多くなかった。親父に感謝。。)


当初はマインスイーパーとかソリティアくらいしかできることがなかったけど、兄の友人でパソコンにすごく詳しい人(親が富士通のエンジニアらしい)が遊びに来て、無料で使えるソフトがあることを教えてくれました。

無料で遊べるフリーゲームとかもたくさんあったんだけど、なぜかMIDIを打ち込みできるソフトで遊ぶようになりました。

参照リンク:
Music Studio Producer / Standard / Independence
http://www.frieve.com/musicstd/

こうして楽器を触ったこともなく音楽の素養もまったくない僕が、このフリーソフトで曲(という名の雑音)をMIDIで作り始めることに。
 
...だけど当時はパソコンかちゃかちゃやってる=キモいオタクみたいなイメージがなんとなく世の中に蔓延していて(少なくとも学生時代、当時の同世代の中では)、なんか恥ずかしくて友だちとかにはあんまり言えなかったんですよね。

フリーBGMとの出会い

当時のインターネットは通信費めちゃ高なのに通信速度はめちゃ遅だったので、MP3よりも軽いMIDIデータが主流でした。WAV形式の曲なんてダウンロードするの何十分とか待たされるレベルでした。インターネット老人会。

YouTubeとかもまだ存在していなかったので、ネットで音楽を聴くときはMIDIがメイン。
いろんな人が作ったMIDIデータをソフトで開いてピアノロールで見て、「どんな配置でこのかっこいいフレーズができてるんだろう?」とか調べたりしてました。

(この頃はピアノロールに音をポコポコ置いていくだけで曲を作ってたので、『音階』よりも『配置』の概念で曲を作ってました。)


そしてあるとき 

「せっかく曲作ったし、誰かに聴いてみてほしい!」

と、12〜3歳くらいの僕は思ったのです。恥ずかしげもなく。。


でも当時サウンドクラウドやYouTubeもありません。ブログやホームページを作るのもカンタンではなかったので、自分で公開するスペースを作ることはできませんでした。 

そのかわりにMIDIの曲を投稿できるサイトを見つけたので、そこで曲を置いてもらえば誰かに聴いてもらえるかも!と、作りためた曲をバシバシ投稿してみました。

そのサイトはMIDIで作曲してる人たちが投稿して、それを管理人さんが手動で掲載してコメント付きでフリーBGM素材として公開してくれる、といったサイトでした。今でいうところのDOVA-SYNDROMEのような感じです。

まだGoogleアドセンスとかも存在してなかったし、サイト上にはアフィリエイト広告とかも確かなかったので、たぶん本当にみんな同人活動というか、趣味でやってたんだと思います。

人に必要とされ、評価されることの嬉しさを知る


 

作曲を始めたといっても全くなんの知識もなかったので最初のころはお世辞にも曲と呼べるものではなかったけど、続けていくうちにだんだんそれらしくなっていきました。

そのうちフリーBGMサイトに掲載してもらった僕の曲をダウンロードした人からメールが届いたりして反響が増えていきました。

「めちゃくちゃ気に入りました!」
「もっと聴きたい!」
「いま作ってるフリーゲームにBGMで使いたいです!」

そんな風に反響をもらうことができて、子供ながらに多くの人から評価されたり必要とされるのはすごく嬉しかったです。

それをこの年頃に体感できたのは僕にとって本当に大きな財産で、このおかげでいまも音楽を続けていると言っても過言ではありません。



ちなみにこれは中学生くらいのときに作った曲。
こんな曲でもだれかの作ったゲームのBGMになってそれがプレイした人たちの思い出に残ったりするんですよね。ほんとにありがたいことです。


ちなみに僕自身もRPGツクールとかでゲームを自作していて、「もちろん自分の曲をBGMにして作ろう!」なんて思ってたけど、結局ゲームはひとつも完成させることはできませんでした。。笑

モテたかったのでネット活動をやめてバンドマンになった


やる気いっぱいでネット上の音楽活動をしていたのですが、高校生になってからは同級生とバンドを組むようになり、なんとなくネットでの活動から離れていってしまいました。

それも「バンドマンのほうがカッコいいしモテそう」という理由で。
まぁ、しょうがなくないよね、思春期だし。。

(今思えばネットでの音楽活動も継続してちゃんと続けてればよかったとけっこう後悔しています…。)

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ネット上からライブハウスへと音楽活動のカタチは変わっても音楽を作ること自体は大好きで、仕事にできたらいいな、とずっと希望を持っていました。

学生しながらバンド、卒業しても仕事しながらバンド、という感じでおよそ10年に渡ってバンド活動を続けました。


そして、あるとき気付きました。


あ、バンドマンとしての才能ないな。って。


まだ粘って続けて、うまくやることもできたかもしれないけど、ちょうどバンド内の問題もあって活動休止したタイミングで、時間とともに自分の中で「もうやることはやった」という思いに変わっていきピリオドを打ちました。



(ちなみに真ん中がバンドマン時代の僕)


一周回ってまたネット上での音楽活動に戻ってきた

それから気持ちを切り替えて、レコーディングとか楽曲提供などの音楽活動をしはじめました。

必要に駆られてソフト音源やプラグインについて深く調べるようになった先で、いろんなDTMerさんのサイトやブログを見るようになりました。

参照リンク:
DTM・音楽制作の手助けになるサイト11選 - SAKUMAMATATA
DTM・音楽制作に役立つおすすめのサイト・ブログ11選【パート2】 - SAKUMAMATATA

ネット上ではたくさんの音楽クリエイターさんたちが活躍していました。趣味でやってる人もいれば副業や本職としてやってる人もいたり様々だけど、どの人も好きなことを追求してて、いろんな音楽活動のやり方があることを知りました。

身の回りにDTMの話ができる友達もそう多くはないので、こういう人たちを追っていけば自分の音楽は人生もっと楽しくなるんじゃないかと思いました。

そこからは自分自身もその界隈に飛び込んでDTMに関する記事をブログに書くようになり、少しずつDTMブロガーさんたちとSNSで交流するようになりました。

DTMerとして曲を作りながら、ブログを書いたり、SNSでも発信してみたり、作った曲をサウンドクラウドで公開したり、作った曲をオーディオストックで販売しはじめたりなど、少しずついろんなことにトライしていきました。

こんな感じで僕の音楽活動のフィールドはライブハウスのステージから一転して、またインターネット上に戻ってきました。

とくにネットでの活動を意識してブログを書くようになったのは2016年くらいからです。前年の2015年まではブログの月間プレビュー数は3,000PVくらいでしたが、本記事を書いている2016年末では月間20,000PVを超えるようになりました。

SNSでよく拝見している音楽家の皆さんとも仲良し...とまではなっていないかもしれませんが、少しずつやりとりできるくらいにはなりました。日進月歩。

追記(2023/08/04):

オフ会やレコーディングなどで音楽家の皆さんに直接お会いする機会なども増えました。しかも、音楽を作ることが仕事になりました。本当にありがたい!続けてきてよかった。
オーディオストックオフィスに新設された「Audiostock Studio」でのレコーディングに参加してきました
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https://www.sakumamatata.com/2018/04/audiostock-studio.html
PS4/Switch/Steam/スマホゲーム『少女首領の推理領域 -黄金島の密約-』の音楽を制作しました
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https://www.sakumamatata.com/2021/06/bossgirl.html

おわりに

子供のころは「MIDIの打ち込みめっちゃ楽しい!」と夢中になっていても、リアルの友達とかにはなかなか言えませんでした。やっぱりオタクの趣味って感じがあったし、そもそも周りにDTMをやっている人自体が存在しなかったのでまず理解や共感を得ることができなかったというのも大きいです。

でも今なら言える、DTMやっててよかったぜ。ぜんぜんオタクでよかった。好きなことに夢中になったあの時間はムダじゃなかった、と改めて思います。

子供のころ手探りで夢中で作曲していたときの気持ちを忘れずに、これからも純粋に曲作りを楽しんでいきたいです。

そんなわけで今回は僕がオタクからバンドマンに転生して、またオタクに帰化した話でした。

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