配布パラデータでミックスの練習をしてみよう!(メタルコア編)

ひさびさにミックスの仕事をやりたいので、それっぽい記事を書いてみますw



今回は「配布パラデータでミックスの練習をしてみよう!」というテーマで、実際にミックスした音源とともに解説していきます。


そもそもパラデータってなに?




ミックスの完成した曲データを『2mix(ツーミックス)』と呼ぶのに対して、リズムギター、リードギター、ベース、ピアノなど曲を構成する各楽器を収録したトラックのオーディオデータのことを『パラデータ』と呼びます。

現在、一般的にミックスやミックスダウンと呼ばれる工程では、このパラデータをDAWに読み込んで、それぞれのバランスや音色を調整してひとつの曲としてブラッシュアップする作業が行われます。

配布パラデータを使ってミックスしてみよう


DTM速報という音楽系ブログにてなんと無償で楽曲のパラデータが公開されているので、今回はこれをダウンロードしてミックスの練習をしてみましょう。

【ミックス】バンド「はちいろ」さんの楽曲パラデータ配布 : DTM速報
管理人のロケットえんぴつ3号さん(@rocketpencil3go)、めちゃくちゃおもろい企画ありがとうございます!

配布中のパラデータは『はちいろ』という女の子ボーカルのバンドさんによる、メタルコアっぽいサウンドの楽曲です。
こういう曲はトラック数は多くないけど、それぞれの楽器の音がデカくて主張が強いのでミックスがけっこう難しいんですよね。。

ミックス前・後の音源を比較


まずこちらがミックス前の音源。


バンドさん側が用意していた仮ミックスとのことで、全容はつかめるけどちょっと荒いかなといった感じ。

そしてこちらが私さくまによるミックス後の音源。

(DTM速報さんに送ったミックスをあらためて聴いてみたらリードギターのパンが変なところにいたのでやりなおしましたw)

ね、意外とガラッと変わるもんでしょw

こんなふうに聞こえ方が変わったり楽曲に与えるイメージも変わるなんて、ミックスっておもしろいですよね。

リファレンス(参考)にした音源


メタルコアのお手本

メタルコアっぽいサウンドってことで、今回意識したのはアメリカのメタルコアバンド・Periphery(ペリフェリー)の音源。



はちいろさんの場合はここまでハードなサウンドではないにしろ、メタルコアらしいピロピロしたリードギターとかはわりと近いものがありますね。
Peripheryのようにリードを聴かせつつ、重心を低くしてヘヴィーで爆発力のある感じを取り入れたい、ということでリファレンスに選びました。

女性ボーカルのお手本

また、女性ボーカルのロックな曲ということで、オーストラリアのポップパンクバンド・Tonight Alive(トゥナイト・アライブ)も参考に。



ロックで音圧のあるオケの中で女性ボーカルを抜けさせる感じがほしいと思い、こちらもリファレンスに。

こんなふうにリファレンスにする楽曲を選んでおくことでミックスの方向性を具体的にできるのでオススメ。
もちろんリファレンスなしで、自分の感覚のみでミックスするのもOKですよ。

ミックスの解説




さて、今回のミックスで重視したのはこんなところ。
  • パンチーでどっしりしたキックとスネア
  • 低域〜中低域を潰し合わないバンドアンサンブル
  • 「ヘヴィー」「疾走感」「ポップ」の共存
 というわけで、ひとつずつ解説していきます。

パンチーでどっしりしたキックとスネア




この配布データではドラムがMIDIデータになっているので、まずはロックでパンチの効いたドラムキットをチョイスしましょう。ドラムが全体の音像をかなり左右するので大事な部分。今回は複数のドラム音源を立ち上げてキックとスネアを重ねて鳴らしています。

キックのどっしり感は60Hz付近、ペチッとしたヘッドのアタック感は2000Hz〜5000Hzあたりの他と被りにくいところを軽くブースト。さらに20Hzあたりの超低域や500Hz付近の中域など不要な帯域は適度に削ります。



スネアのどっしり感は200Hz付近、抜けてくるアタック感は2000Hz〜ちょい上あたりを軽くブースト。不要な100Hz以下の低域や10kHzなどの超高域を適度に削るとナイス。

低域〜中低域を潰し合わないバンドアンサンブル

デカい音のキックとスネアを鳴らしていると、心配なのが同帯域のマスキング。
キックの低域はベースと被りやすく、スネアはギターと被りやすいんですね。近い音域の楽器がぶつかり合うと飽和して、結果的に音が小さくボヤけて聴こえてしまうんです。

なので、それぞれのパートにきちんと存在感を持たせるには帯域の住み分けが重要です。

まずはベースの処理。
キックの存在感をしっかり残すためにベースの60Hz付近は削っておいて100Hzあたりからしっかり鳴らすと程よくブーミーに。ベースのアタック感、硬い音は2000Hz付近にあるのでお好みでブースト。それ以外の不要な帯域は削っておくのがベター。



次にリズムギター。
一般的にこういうジャンルではリズムギターのバッキングをLとRにパンを振って、グッと厚みを出します。(ステレオを広げすぎると気持ち悪いのでほどほどに)
 ラウドなギターの低中域はキック、ベース、スネアと被りやすいので思い切って削るのが大事。

このミックスではリズムギターは150Hzあたりから下はザックリ削ってます。低音はベースやキックに任せましょう。歪んだラウドなギターのおいしいポイントは500Hz前後の低中域にあるんですが、このあたりはスネアと被りやすいので全体的にあまり大げさなブーストはせずに不要な帯域を削る方向で調整。

必要であれば400〜800Hzの低中域のブーストや、ハイゲインでギラッとした部分の2000Hzより上の高域をブーストすると存在感が出てきます。



と、まぁこんな感じできちんとそれぞれのパートのスペースを作りながら、存在感を潰さずに互いを引き立てるようなイメージでイコライジングなどしていきます。

「ヘヴィー」「疾走感」「ポップ」の共存

サウンドの重心を下げてヘヴィーにしすぎると、疾走感が損なわれてモッサリした印象になりがちです。この曲は「自分を変えて前に進むんだ」というテーマを歌っているので、ポジティブな疾走感と適度なポップさを意識しました。

もちろん音作りの印象でもガラッと変わるんだけど、疾走感とかサビでの爆発感を左右するのは地味にオーディオトラックの編集なんですよね。



例えばブレイクするところはしっかりブレイクさせるとか。
残響が残ってた方が良い場所はそのままにするけど、そうじゃない場所はしっかり切ってあげてメリハリをつけるとブレイク明けのフレーズがビシッと決まる。
ブツ切りにすると不自然になったりノイズが出たりするのでフェードも書いてあげると吉。


あとボーカルのブレス(息継ぎ)が耳障りなところをしっかりカットしたりするのも大事。
マイケル・ジャクソンみたいにブレスがちゃんとリズムになってグルーブがある場合とか、ブレスを吸ったり吐いたりする生々しさやセクシーさが曲に合ってる場合はそのまま生かした方が良いけど、そうじゃないときはあんまり残さなくても良いかなと思う。


おわりに


「パラデータをダウンロードしてミックスする」って、なんともDTMerらしいマニアックな遊びですけどw
ふだん自分以外の曲をミックスしない人は新たな発見があるかもしれないし、これからミックスとかやりたいって人にとってもいい練習になるのではないでしょうか?

それでは今日はこの辺で。


P.S. ひさびさにミックスをやりたいのでお仕事どしどしお待ちしておりますw



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