【しくじり先生】フリーランス・起業・独立に憧れを持ちすぎて失敗【俺みたいになるな!】

ザ・教訓。



どうも、しくじり先生のさくま(skmmtt)です。
今回は僕が友人から「チームで起業しよう!」と誘われ、1年以内にポシャったドンマイな話。なぜそんな事態になってしまったか?という経緯と、今後そんなことにならないための悲しい考察です。笑




ことのはじまり



数年前、僕がほんとに体験した話。

ある日、都内のデザイン事務所に勤める友人A氏から「一緒にクリエイターチームとして起業しないか?」と、誘われました。

詳しく聞いてみると「いまの職場でウデは磨いたし自分を頼ってくれる顧客もついているけど、社長のやり方が気に入らないので退職してフリーになろうと思っていた」「せっかくやるならクリエイティブな活動をしてる友達とチームでやってみたいと思った」というような話。

僕は当時、会社勤めをしながらバンドをやっていて、なおかつ兼業でクラウドソーシングや友人知人の紹介で音楽の仕事を受けていた。友人A氏は僕のそんな活動を知っていて声をかけてくれたようだった。

「さくまは今までどおり自分の活動をしてOK!まずは個人事業としての登録やホームページ作りは全部オレがやるから、これからチームの屋号を使って一緒に活動しよう!」

たぶん、友人A氏はひとりでスタートするのが心細かったんだろうなぁとは思ったけど(笑)
個人の名前でやるより屋号がついてた方がクライアントさんも安心するかな?とか考えたり、友達とそういうのやるのちょっとおもしろいかもしれない、と思ったので僕もその話に乗っかってみることに。

すべり出しは好調!



僕が日中仕事したりバンド活動したり友達と遊んだり曲作ってる合間にも、友人A氏は宣言どおりデザイン事務所を退職してから起業のための諸手続きやホームページ作りなどせっせと頑張ってくれていました。

ホームページは独自ドメインも取って、さらにあわせて仕事用のメールアドレスなんかも僕のぶんまで作ってくれました。ありがたい。

デザインの仕事も「在職中に付き合いのあった顧客から仕事をふってもらえる手はずが整っている」とのこと。ぐう有能じゃん。

「こんなクリエイティブチームを発足したのでお仕事お待ちしてます」的なことをFacebookとかに書いてみたらすぐ問い合わせが来てふたりで商談しに行ったりとか、ぼく個人としてもA氏が用意してくれた仕事用メールアドレスやホームページを使って仕事をコツコツとこなしたりと、すべり出しはわりと順調でした。

じっさい自分の活動に屋号がついて、名刺やカッコつけた肩書きなんかも作ったりすると、個人の名前で活動するより『なりきれる』っていうか、スイッチを切り替えて仕事に打ち込めたりしてけっこう良かったんです。

立ち込める暗雲



そんな順調だったスタートからすこし経つと、モヤっとする出来事が起きはじめました。

まず友人A氏の頼みの綱だった「付き合いのあった顧客から仕事をふってもらえる手はず」のアテが外れてしまったこと。

これは前の職場からの制裁みたいなものだったのか、それともその顧客はA氏を頼っていたのではなく『そのデザイン事務所に勤めているA氏』に用があっただけだったのか、真相はよくわからないけど、とにかく彼の収入のライフラインはそれくらいだったのでいきなり仕事がなくなってしまったようだった。

クラウドソーシングの依頼でも音楽制作とは違って、デザイン系は案件も多い半面、競争率がめちゃくちゃ高いしクオリティの水準も高いため、なかなか収入につながらない様子。
かといって僕も彼にデザインの仕事なんかをふれるわけでもなく、お互いにモヤモヤ。。

そうこうしてるうちに、なぜか友人A氏はフィリピンのセブ島に数ヶ月間の語学留学に行くことが決まっていました。

正直「え、なんで今?」とは思ったけど、デザインならPC一台あればなんとかなるのかな?とか思いながら彼を見送ることに。

そして空中分解へ



友人A氏がフィリピンへ発ってからも連絡は取り合っていましたが、あまり仕事の話はなくなっていきました。

そんなあるとき、彼から「今月分だけでいいからホームページのサーバー代金を代わりに振り込んでおいてほしい」と連絡が。今までサイト管理も支払いも任せっきりだったので、「もちろんOK!」と快く支払いましたが、このときにもっとちゃんと支払の分担などを決めておくべきだった。。


それからしばらくして、ふと仕事用のメールアドレスが使えなくなってることに気付きました。

僕はその頃ちょうど、某所で知り合ったクライアントさんからインタビュー映像に音楽をつける仕事を年間契約でいただくことになっていて、仕事用のメールアドレスに連絡をもらうことになっていたのですが一向に連絡が来ず「おかしいな?」と思っていました。

当然その他のメールも受信できず送信も出来なくなっていることからサーバーの問題だと気付き、急いで問い合わせて確認してみたらなんとサーバー代金を滞納していたため契約が解除されてる状態になっていました。もうそのメールアドレスもホームページも二度と使うことができなくなっていたのです!

年間契約の話を進めようとしていたクライアントさんには不運にもメールアドレスしかお渡ししておらず、それ以外の手段で連絡が取れないまま気付いたときには1ヶ月が過ぎていたためこの契約は自然消滅してしまいました。

とても人当たりの良いクライアントさんで僕の仕事を気に入ってくれていたし、単価が高かったためこの契約だけで年間100 万円以上の利益が見込めた大きな仕事だったのですが、クライアントさんからしたら急に音信不通になって1ヶ月も過ぎて怒っているでしょうし、さすがにもう別の人に仕事をふっているでしょう。

本当に先方には大変なご迷惑をおかけしてしまいました。今でも悔やんでいます。

ぼくはそんな自分の浅はかさへの苛立ちがやり場なく、次第にその矛先は友人A氏に向かって行きました。

「ドメインの管理はやってくれるはずじゃなかったのか?こっちはデカい損失になっちまったぞ!」
「そっちから起業しようと誘ったのに、仕事も取れないままリゾートで語学留学ってなんなんだよ!」

気付けば、僕はこんな気持ちを彼にぶつけてしまっていました。
僕だってホームページやメールアドレスを活用していたんだからちゃんと折半して払うとかきちんと取り決めて支払っていればこんなことにはならなかったのに。。

そうして僕らのチームはバラバラになりました。

なぜこうなったのか?



A氏とはSNSではつながっているけど、会ったり連絡とることはあまりなく疎遠になってしまいました。友達同士で仕事って、すごく楽しそうだと思ったけどうまくいかないこともあるみたいです。

残念な結果にはなってしまったけど今後同じ轍(わだち)を踏まないために、一体何がいけなかったのかを自己分析してみました。

①フリーランス・起業・独立に憧れを持ちすぎていた

なんか「フリーランスとか起業ってかっこいいな!」って思ってたんですよね。友人A氏も僕も。名刺作るとき「なんて肩書き付けるか?」でハシャいじゃってましたからね。ペーペーなのに。クソガキでした。笑

フリーランスや自営業は往々にして会社員より大変です。
自分以外の誰も守ってくれないし、仕事がなければ無収入になってしまうから。

②不確かな収入源をアテにしていた

友人A氏は前職のつながりから仕事をもらえることをアテにしていたけど、ちょっと読みが甘かった。仮に最初は問題なく取引できてても、いずれそこが倒産したり事業を撤退してダメになったら自分もダメになるワケだから、一か所に収入を依存するのはキケン。

他にもガッチリ営業かけたりして取引先を見つけておくとか、友達や知り合いツテでもしっかり根を広げておいたり、SNSなどネット上で影響力を持っていてお客さんの方から問い合わせてきてくれる状態にしておくべき。

カンタンなことじゃないけど、それくらいのことが実行出来てなければ独り立ちはできない。っていうか現にできてなかった。笑

③チームとしてきちんと機能していなかった

これは僕がA氏に依存しすぎたのがいけなかった。
チームで使っているサーバー代の費用を彼にずっと負担させたままにするのはフェアじゃないし、無職の彼が留学先で所持金も目減りしているであろうことも予測できたはず。

連絡自体はとるけど業務上の連携はぜんぜん取れてないし、チームとして機能してないのを見て見ぬフリしてたツケが回ってきたワケです。

本当にフリーでやっていくのか、あらためて考えよう

自由でクールなイメージのフリーランスや起業家。
フタを開けてみれば、まるでイメージとは違うこともあります。

今までサラリーマン時代には他部署がやってくれていたドロくさい営業や面倒な経理・事務手続きなども自分でこなしたりお金を払って委託しながら、本業の実務も同時にこなさなくてはいけません。

納品したのにお金を払わなかったり、音信不通になったりするお客さんもまれにいます。
うまくいかないことだってたくさんあるし、その代償はすべて自分で支払うことになるんです。

そんな困難をも乗り越えられるのは、それでも自分の力でメシを食っていくんだ!という情熱と、問題を分析して黙々と改善していける冷静さを併せ持っている人だと思います。

「なんかカッコイイから起業してみたい、フリーになりたい」って人は、事業登録して名刺作ったりした段階で気持ちがピークになって目的が達成されてしまうので、そのあと継続してしっかり食べていくには苦労しそう。

おわりに

お客さんやクライアントさんはすごく丁寧な対応してくれる人もいるし、納品したものを想像以上によろこんでもらえたり、リピートして新しい仕事をくれたり、新しいお客さんを紹介してくれたりとかしたときは本当にうれしいです。そういうよろこびもあるけど、やっぱり自分たちの力だけで満足に生活していけるだけの稼ぎを出すのはカンタンなことではありません。

サラリーマンだって立派な仕事だし、好きなことじゃなくたってしっかり働いてることはそれだけで褒められたこと。フリーになることや起業することだけにこだわらず、日々会社員として仕事をしながら副業や兼業としてやるという選択肢もあります。実際に僕自身が会社員のかたわら兼業で音楽制作の仕事をしています。

もちろんフリーになることや独立起業することは勇気ある挑戦だし、すばらしいことです。余計なお世話かとは思いますが、今一度ほんとに向き合っていけるかを考えるきっかけになればと思い、こんなことを書いてみました。

しくじり先生・佐久間より。

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